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2009.05.17 (Sun)

英雄ポロネーズ/F.ショパン

ポロネーズ第6番変イ長調作品53「英雄」
F.F.ショパン ピアノ・制作/辰巳直弘


試聴URL
http://d1013408.hosting-sv.jp/asx/ch-polo6-eiyu_t.asx

1842年、ショパン32歳の時の作品で、翌年に出版。

生涯にわたり病弱で内向的であったショパンではあるが、1838年より同棲を始めていた恋人で人気女流作家ジョルジョ・サンドの存在もあり、この時期は精神的にも経済的にももっとも安定していた。
このポロネーズの他にもバラードの4番やスケルツォの4番などの大曲が次々を生み出されたことを見ても、ショパン全作品中でも類を見ない華やかさと生気溢れる壮大なポロネーズが生まれた背景に精神的な充実があったことは疑いの余地がない。

「英雄」と呼ばれるこのポロネーズ、一般的な人気はもちろんのこと、ショパンを扱ったピアニストのリサイタルでも必ずと言って良いほどプログラムに挙がり、技術的、芸術的側面でもショパンのピアニズムを存分に散りばめた代表作となっている。

ポロネーズ(polonaise)とはフランス語で「ポーランド風」と意で、もとはポーランド王宮での貴族の行進から民族舞踊へと発展を遂げたものであるが、後にヨーロッパ各地の王宮で取り入れられ、フランスの王宮よりポロネーズの名が広まっていった。
ショパン以前にもコズウォフスキ(Jozef Kosłowski1757年-1831年)やオギニスキ(Michał Ogiński 1765年-1833年)ら、ポーランド人作曲家が民族的なポロネーズを作曲しており、これらはショパンに大きな影響を与えた。

ポロネーズの特徴はそのリズムにあり、荘重な4分の3拍子を基本として、その第1拍目に16分音符を置く基本形「タン・タタ・タッ・タッ・タッ・タッ」が用いられる。

ショパンは生涯で18曲のポロネーズを作曲しており、そのうち、ピアノと管弦楽用の作品「アンダンテスピアナートと華麗なる大ポロネーズ」と、ピアノとチェロのための室内楽曲「序奏と華麗なるポロネーズ」を除く16曲がピアノ独奏用の作品として今日知られているが、ショパンの生前に出版されたものはこのうちの7曲であり、現在1番から7番まで番号が与えられているものそれにあたる。
その以外の9曲については少年時代の習作であり「11番ト短調」のポロネーズに至っては、何と7歳での作品である。
ショパンの全作品中もっと初め書かれたとされる作品がポロネーズであったことを見ても、ショパンがいかにこの形式を身近に感じ愛していたかが伺える。

                   ◆  ◆  ◆

重厚で長い序奏の後に奏される第1主題はまさに華やかの一言で、CMなどでも頻繁に使用されていたこともあって、誰しもが必ず一度は耳にしたことがあるのではなかろうか。

しかしながら本ポロネーズの聴き所は何と言っても中間部のトリオで、左手に現れるオクターブの高速連打をいかに扱うか、ピアノ弾きとしての技術が問われる部分でもある。
トリオの演奏にあたってはとにかく「脱力」と「スナップ」が求められる。
力を入れて弾けばいくらでも速く奏することはできるが、そうなると3小節のインターバルを挟んだ後の繰り返し部分で、ほぼ間違いなく体力が尽きてしまう。
ポイントは一拍目のE音(ミ)を打鍵する際に十分に脱力し、手首のスナップを利用しながら「ぽんっ」とはじく感覚で弾き、後のDis-Cis-Hの3音を滑らすようにかすめて弾くことが重要になる。
最初は後ろ3音の音が抜けてしまうが、それを避けるために力を入れて押し込むことはあまりお薦めできない。
何度も脱力とスナップ、滑り、回転を研究しながらちょうど良い圧力の加え方を探していくことが肝要である。
それとE-dur(ホ長調)の連打が終わっても、幾分の余力を残しておくよう配分しなければならない。

一転してDis-durの連打部分、左手の回転が「左周り」から「右周り」へと変わることと、音の配列上、黒鍵から白鍵への狭い部分を通らなければならないため、前述部分よりも遥かに脱力とスナップが効かせにくい。
ここは腹をくくって、前述部で残した余力をすべて使い果たすつもりで一気呵成に弾き飛ばす感覚で弾くことになる。
ぎりぎりでも体力が持てば、その後の3小節間のインターバル、そして続く2小節間の連打を左右の手に分割することで十分に体力の回復が望める。

それでも、ここへ来てすでに腕が疲れてしまっている場合は、左手の下降連打をレガート寄りに奏し休ませながら、右手のみにスタッカートを与えるなどして工夫して欲しい。
このトリオがなんとかやり過ごせれば、この大曲ももう弾けたも同然ですし、この曲に挑戦される方はなんとか頑張って欲しいものです。
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